![[ 鉄地丸形高彫象嵌透かし鐔 ] 奈良利寿](naratoshinaga.jpg) |
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奈良派は、横谷派と並び、多くの系列流派を生んだ、本邦彫金界における最も重要な流派の1つである。
その初代の利輝は、塗物を生業とし、日光東照宮の造営などに塗師として参加した。
次の利宗の代になると、家業の塗物からは手を引き、屏風・たんすなどの金具を作る飾師となった。
そして三代目の利治になり初めて、鍔や小柄などの製作に従事するようになる。
このように奈良派は、もとは塗師から発展したという経歴を持つため、後藤家や正阿弥系などとは関係がなく、よってその作風もそれらとは違っている。
たとえば、後藤家は素材に鉄をほとんど使用せず、下地は必ず魚子地にするのに対し、奈良派は鉄を多用している。
また、後藤が採り上げる題材は獅子や草花などの一定化したものがほとんどなのに対し、奈良派ではさまざまな題材を採り上げ、それらを新しい刀法 (片切彫や肉合彫など)
によって表現している。
後藤・平田・吉岡・伊藤などの各派が徳川幕府のお抱え工として上流階級を主な顧客としていたのに対し、奈良は在野で町彫り師としての傾向を強めていき、新奇なものを積極的に採り入れたため、大衆に受け入れられ非常な人気を博した。 |